◎前回のお話はこちら
初めて貴人さんと一緒に出掛けてからも、貴人さんからの日々の連絡は続いていました。
けれども全くもって私の心は動かない。
むしろマイナスな方向に動くことが多くなってしまった。
私が通っていた高校は毎日のように小テストがあり、その小テストに合格しないと合格するまで再テストが行われる学校。
勉強時間を電話で妨げられることが嫌になり、電話に敢えて出ないことも増えていきました。
今思えば、もう電話をかけてこないよう伝えれば良かったのだけれど、当時の私にはそれをやる勇気はありませんでした。
貴人さんの友達に会うことに
ある日、自分の勉強時間に余裕ができたタイミングで貴人さんから着信があった。
出ると、今度貴人さんの友達も交えて遊びに行こうという内容だった。
貴人さんの友達が私に会いたがっているとのこと。
女の人が一人と男の人が二人。
あまり気が乗らなかったが、私の中である考えが浮かんだ。
その女性と仲良くなれれば、貴人さんの性格とかが分かるかもしれないし、何か相談に乗ってもらえるかもしれないと。
しかも二人きりで会うのではないから、逆に気楽かもしれない。
私は承諾の返事をした。
会う約束をした当日のこと
友達と会う場所が離れているため、当日は車で貴人さんが私を家まで迎えに来てくれることになった。
会って挨拶を交わし車に乗ると、貴人さんが忘れ物をしたため家に取りに帰ると言いだした。
忘れ物は誰にだってよくあること。
貴人さんはその時、一人暮らしをしていた。
貴人さん家の駐車場についたが、私は車で待っていると伝えると、時間がかかるから家に上がるように言われた。
これまで男の人に免疫のなかった私は、言葉通りに受け取り、お邪魔することにした。
案内された部屋に入ると、広くはない部屋に布団が敷かれていた。
立ち尽くしている私の後ろから貴人さんは部屋に入っていき、急に布団に寝転んだ。
そして自分の横をポンポンと叩き、少し休まない?と言いだした。
「休みません」と言い、少し離れたところに背を向けて座ると、突然服の上から背中をなぞられた。
その瞬間、さすがの高校生の私でも身の危険を感じ、立ち上がって玄関まで行き外に出た。
「用事が終わるまで外にいます」と告げると、貴人さんは笑いながら追いかけてきた。
「みくちゃんは男に慣れてないんだね(笑)」
・・・いやいやいやいやいや!突然こういうことしてくるのキモ過ぎるから!ふざけんな!
内心、貴人さんに対する憎悪の言葉だらけだった。
でも初めて味わった恐怖に、自分の口からは何も言えなかった。
冷や汗は出るわ、手足はキンキンに冷たかった気がする。
それからは何も身の危険はなく、貴人さんの友達と会ったが、頭の中はさっきのできごとでいっぱい。
友達を交えた後も、ゴルフの打ちっぱなしに行きたいという貴人さんに合わせ皆で打ちっぱなしへ行ったが私は心ここにあらず。
当時ゴルフへの興味が皆無だったため見てるだけだった。
正直見てても全然面白くもなく退屈だった。
そして今度はカラオケへ行きたいと言いだす貴人さんに皆したがってついていった。
途中、貴人さんの友人の女性が、別の友人へ嘆いていた。
「みくちゃんいるのに、どうして貴は自分の意見だけなの?高校生のみくちゃんがゴルフなんか楽しめるわけないじゃん。何とか言ってやってよ」
隣で聞こえてしまった私は苦笑いを返したが、その女性にはすごく感謝の気持ちでいっぱいだった。
とても姉御肌でかっこよくて、唯一信頼できる人だった。
でももう私は貴人さんとこれ以上、つながりを持つつもりはないと、その時密かに決心をしていた。
▼続きはこちら
▽最初から読みたい方はこちら
コメント