小学4年生の後半から、しゅうくんとの仲を周りに冷やかされるようになった。
今までみんなそんな感じじゃなかったのに、急に男女を意識する発言をするようになった。
女子には「しゅうくんのこと好きなんでしょ?」と色々な子に言われ、男子には「しゅうくんとラッブラブ〜」と冷やかされる始末。
『ほっておいて』と内心祈り続けたが、そんな願い虚しく冷やかしは日増しに強くなっていく。
初めてのギクシャク
しゅうくんは今までと変わらず、無邪気な笑顔で話しかけてくれるのに、私は2人が仲良くしているところを冷やかされるのが恥ずかしくて、冷たい態度をとってしまうようになった。
心の中ではしゅうくんに謝っていたのだけれど、それは伝わらず、私の冷たい態度に次第にしゅうくんも離れていった。
今でも覚えているのが音楽室でのできごと。
偶然にも目の前の席がしゅうくんになった。
『お願いだから話しかけないで(>人<)』
そう思っていたのに、しゅうくんはニコニコ後ろを向いて「みくちゃん、みくちゃん」と話しかけてきた。
周りの男子が今にも冷やかそうとニヤニヤしているのが目についた。
私は恥ずかしさで全身が熱くなるのが分かり、しゅうくんの呼びかけに返事をすることができなかった。
するとしゅうくんが少し不機嫌な表情で一言。
「あー無視するんだ。それならもう、いいよ」
そしてプイッと前を向くと、二度と私を呼んでくれることは無かった。
分かっている。全ては私が悪い。
大好きなしゅうくんを傷つけてしまった罪は深い。
私が同じことをされたら、きっと悲しすぎて泣いてしまっていたかもしれない。
大人と違って子どもの世界では、外野の影響をモロに受ける。
そしてその外野の評価が全てになってしまいがちであった。
そっとしておいて欲しいのに、してもらえない。
本来なら、それにどう対処するかによって切り開かれる未来も変わるはず。
だけど私は逃げる方向を選んだ。
きちんと自分の言葉で、周りにもしゅうくんにも説明をするべきだったのに。
しゅうくん、あの時はごめんなさい。
私はただ自分の保身のことしか考えていませんでした。
本当に本当にごめんなさい。
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