シンガポールへは大所帯でのツアーとなった。
私達親子を含め、計4家族総勢10名でのツアーとなった。
親の知り合いではあるけれど、私にとっては「初めまして」の方ばかりだった。
知らない人ばかりがいる環境というのは、どこか落ち着かず疲れるものだというのを改めて痛感した。
シンガポールに到着
成田空港に到着し、飛行機に乗るまでの間や飛行機内は家族ごとで行動していたため、実際に全員が顔合わせをしたのはシンガポールに着いてからだった。
噴水がある広場のようなところに集合した時、一際目を引く男性がいた。
彼は母の友人の息子。
貴人(たかひと)さん、21歳。
貴人さんは高校卒業後、貴人さんのお父さんの仕事を継いでいたため、社会人だった。
パッと見た印象はケイン・コスギさんに似ているな〜と思った。
当時の私は16歳。
5つも歳上の男性を目の前にし、眩しさを感じた。
スラリと細く長く伸びた手足。
キレイにセットされた髪。
ワイシャツと綿パンをオシャレに着こなした格好。
一目で大人っぽさを強く感じたことを覚えている。
とは言え私とは別世界に生きている人。
特にこれといって何かを感じたわけでもなく、
すぐさま私は、人生初の海外旅行を母と謳歌し始めた。
シンガポールでは多国籍料理がすごく美味しく食事も気に入った。
ナイトサファリや博物館なども楽しかった。
長距離移動のロープウェイがハラハラドキドキしたことも覚えている。
マーライオンを実際に自分の目で見ることができて感動したし、街にゴミを捨てると罰金刑を課される国という言葉通り、すごくキレイな街だった。
道路や標識、信号などがLEGOに出てきそうなくらい可愛いデザインで何枚も写真におさめた。
約1週間の旅行だった気がする。
貴人さんとは食事の際に席が近くになるなど、何度か話はしたものの社交辞令程度の距離感だった。
数日後に、この貴人さんとの距離が縮むことになる。
▼続きはこちら
コメント