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【高校生の恋愛:淳平くん②】その時は突然やってきた

4.高校生の恋
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◎前回のお話はこちら

前回は女の子だと思っていたメル友のジュンちゃんが、男の子のジュンくんだったことが判明したお話でした。

 

その続きを書きます。

 

実話です。

 

 

ジュンくんとの共通点

ジュンちゃんは人懐っこいメールを打つ子だった。

 

うまく言えないけど20文字の中にクスッと笑わせてくれる要素を取り入れる子だった。

 

 

そしてそれはジュン君になった後も変わらなかった。

 

これまでと同じように、同じ頻度でやり取りするメール。

 

塾の宿題が間に合わなくてヤバい~とか、そういう他愛ない会話をよくしていた気がする。

 

 

 

夏休みを目前に控えたある時、ふと花火大会の話になった。

 

ジュン君が住んでいる隣の駅で花火大会があるとのこと。

 

そして私も、私が住む地域の沿線上で行われる花火大会の話をした。

 

そしてなんと、この花火大会が同じ花火大会のことを指していた。

 

つまり、私の最寄り駅とジュン君の最寄り駅は同じ沿線上にあったのだ。

 

私は埼玉に住んでいて、ジュンくんは東京に住んでいたのにも関わらず。

 

その花火大会は、埼玉と東京の県境の川を挟んで開かれる花火大会だった。

ジュン君は東京側から、私は埼玉側からの視点で話していた。

 

 

こういうちょっとした偶然が心の距離を一気に狭めるんだと思う。

そして心の距離が縮まると、お互いに親近感が湧いてくるものだ。

 

もしかしたらどこかですれ違っているのかもしれない。

 

 

まるでどこかのバラード曲のような、甘い少女漫画の展開のような、

そんな言葉が頭の片隅を漂う。

 

 

同じような雰囲気をジュン君も感じてくれたのだろう。

ジュン君から一通のメールが届いた。

 

「良かったら一緒に花火大会に行きませんか?」

 

(・・・キタァァァァァ) ←私の心の声

 

 

本音を言えば私も会いたい。

どういう人なのか自分の目で確認したい。

顔や背格好も気になる。

どういう声で話すのかも気になる。

そしてどういう風にメールをくれてるのかも気になる。

 

 

当時はPHSにカメラ機能もなく、画像の送受信なんてないから写真を送ることができなかった。

FacebookやTwitterなんてものも存在すらしていなかったから、相手の顔を知る手段など一つもなかった。

 

ジュン君のことはものすごく知りたかったけれど、私は自分にすこぶる自信がなかった。

(自信が無いのは今も同じだけど・・・)

 

だから許されるなら、私は自分の姿を見せずにどういう人が来るのか物陰から隠れて見ていたい と強く思った。

 

 

でもそれは相手も同じことなんだよね、きっと。

 

自分がどういう人とやり取りをしているのか、気にならない人はいないよね。

怖いようでワクワクする気持ちもある。

 

自分の姿を見られてガッカリされるのも怖い・・・。

実は反社会勢力の一味で(高校生などではなく)、会った瞬間に拉致されて東京湾に沈められたら・・・と考えたりもして怖かった。

 

色々な葛藤が頭をグルグル回った。

そして考えて、私は花火大会に行くという決断をした。

 

なぜかジュン君のことは全面的に信じられるような気がしたからだ。

会ったこともないのに変だけどね。

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