涙のバレンタインデーから卒業式までの間、そして卒業式当日も、高田くんと会うこと、話をすることは無かった。
私はできるだけ高田くんに会わないように避け続けた。
失恋は片思いのままの思い出
遠くから高田くんの姿が見えたり、声が聞こえるなど高田くんの存在を感じると、先回りして逃げた。
本当はたくさん話して聞きたいこともあったけれど、中学生の私には至難の業。
告白をする前に振られた私。
告白すらさせてもらえなかった私。
門前払いを喰らったような気分だった。
こうなってしまった今、しつこくしてこれ以上嫌われるのが怖かった。
もしかしたら、高田くんに好感持ってもらえてるのかも!?·····なんて、フワフワと夢を見ていた自分が情けなく、そしてとてもとても恥ずかしかった。
私の中学生活は全て高田くんで構成されていたので、そこが崩れてしまったらもう何も無いのと同じだった。
でも、それでも。
諦めつつも、卒業式に呼び出されて、
あの日はごめん。受験に失敗してキツくあたってしまって。
本当は俺も・・・
····なんて、少女漫画のような大逆転劇を妄想して夢を見たりもしたけれど、現実では甘みあっさりと夢は砕かれ、試合終了となった。
ありがとう、中学校生活。
ありがとう、高田くん。
さよなら、青春の日々よ。
コメント