3.中学生の恋

刻々とせまるホワイトデー

目安時間 4分

人生で初のドキドキバレンタインデーが終わり、高田くんは約束通り誰にも言わなかったようだ(と信じたい・・・)。

 

気持ちを伝えられなかった不完全燃焼感はあったものの、あの時あれ以上に勇気を出すことはどう考えても無理だった。

 

でも、それほど近しい間柄ではない人が直接家に持って行ったとなると、気持ちを伝えたも同然だと自分なりに判断をした。

 

 

恐らく、高田くんもそういう解釈をしたに違いないと思う。

 

刻々とせまるホワイトデー

そして1ヶ月が経ちホワイトデーを迎えた。

 

特にこの1ヶ月、何も無い。

 

そう、何事も無かったかのように寂しいくらいに何も無かった。

 

 

特に高田くんと話すこともなかった気がする。

 

私の勇気を出した1日が無かったことになろうとしていた。

 

 

そしてホワイトデー当日。

 

春めいた風が時折強めに、開け放った教室の窓から吹き込んでいた。

 

よく晴れたポカポカ陽気の中、教室の窓から外を眺めていると、ふと隣に高田くんが立っていた。

 

私は窓の外を見る姿勢。

 

高田くんは背中を窓に向け寄りかかり、教室を眺める姿勢だった。

 

今になって思うと、少女漫画の1コマに出てきそうなシチュエーション。

 

 

私「!!(言葉にならない)」

 

高田くん「今日持って行くから、ホワイトデー。家どこだっけ?」

 

私「・・・・・・〇〇マンション」

 

高田くん「OK」

 

私「へ、部屋番号は◯◯◯だよ!」

 

高田くん「ん。たぶん大丈夫」

 

 

表情を変えることをせず足早に去っていった。

 

どこかの休み時間か放課後の出来事だった気がする。

 

教室には数人しかいなかった。

 

そして窓から吹き込む風で強く揺れるカーテンの音に掻き消されて、私たちの会話は誰にも聞かれていないようだった。

 

 

高田くんが去った後、爆音を鳴らす心臓を落ち着かせたかった。

 

激しく揺らめくカーテンの内側に入り、何とか顔の火照りと心臓のドキドキを抑えた。

 

その日は完全に心はうわの空になってしまい、その後に話した友達との会話など全く頭に入ってこなかった。

 

 

下校途中も、今日これから起こることを何度も頭でシミュレーションし、恥ずかしすぎて発狂しそうになっていた。

 

 

そして私の心にかかる暗雲が一つ。

 

 

そもそも高田くんは本当に来てくれるのだろうか?

 

口では言ってきてくれたものの、やっぱりナシとなって来ないかもしれない。

 

 

高田くんにはそういう面も無くは無い。

たまに掴みどころがないようにも感じる時がある。

 

不安と期待を抱えて家に帰った。

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