4月を迎え、中学三年生となった。
悲しいことに高田くんとはクラスが離れた。
中学生活最後の思い出には、高校受験だけが残ることとなった。
私のすべての気力の源
けれど私にはホワイトデーの思い出があった。
だからそれだけで、どんな困難も乗り越えて行ける気がしていた。
そしてその思いの通り、どんな困難も抜けていった。
受験生であるがゆえの、塾通いや塾の夏休み・冬休み合宿、土日の特訓授業。
周囲からのプレッシャー。
休日に開催される試験の数々。
どれも大変で肉体的・精神的にそれなりに苦労もしたけれど、全てはあのホワイトデーの思い出が、私の活力の源となっていた。
そしてそれは別のエネルギーをも引き出してくれていた。
私と高田くんの受験が終わったら、この思いを直接高田くんに伝えようということ。
私の第一希望の高校は女子校で、高田くんの第一希望の高校は男子校。
お互いが晴れて第一希望に受かれば、全く別々の道を歩くことになり接点は無くなる。
そうなる前に、伝えなければ。
そして、告白の前に私のやるべきことは、受験を無事に終わらせること。
そこに向かって、ひたすら走り続けた。
コメント