前回の話の続きです。
直志くんの弱さというか女々しさを垣間見てしまった私は一気に気持ちが冷めてしまいました。
そしていよいよ自ら別れを切り出します。
前回のお話はこちら。
自分から直志くんに切り出した別れ
夏が終わり、秋の気配を感じられるようになってきた頃、私は直志くんに別れを切り出すことにした。
別れを言うと決めてからは、直志くんにうまく笑えないし、目を見て話せなくなっていた。
そしてそんな私の様子を不穏に感じていた直志くんは、何か予感があったのだろう。
そわそわした様子だった。
別れを切り出した時に、逆上されたらどうしようという考えもあって
できるだけ人通りがある場所を私は指定した。
大学の帰り道、直志くんを呼び出した。
現れた直志くんは明らかに引きつった苦笑いを浮かべていた。
直志くん:「話って何?」
突然呼び出してごめんね。そして突然ごめんなさい。
別れてほしいの。
直志くん:「どうして?この前のが原因?それだったらごめん。謝るよ」
この前のが原因ではあるけれど、気持ちが無くなってしまった。
このまま付き合いを続けることはできない。
直志くん:「俺は別れたくない。もう一度好きになってもらえるように頑張るから」
ごめんなさい。もう気持ちが戻ることは無い。
そして私には別れない選択肢はないの。
直志くん:「イヤだ。別れたくない」
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10分ほど沈黙の時間が続いたあと、直志くんが口を開いた。
「分かったよ。もうどう頑張ってもどうしようも無いんだね。分かった」
うん。ごめん
そしてそのまま直志くんは去っていった。
人生初めてできた彼氏との別れが寂しくないかと言えば嘘になる。
けれども私は、直志くんに対する嫌悪感の方が強かった。
だからすんなり受け入れて去ってくれた直志くんにホッとして感謝の気持ちが大きかった。
これで私は自由の身。
何にもしばられることなく、自分の好きなように過ごせることに希望が満ち溢れた感覚だった。
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